わきが・多汗症について
わきが(腋臭)とは?
わきの下から出る汗の匂いが特徴的(鼻をつく匂い)で、人に不快感を与えてしまうことです。日本人の場合このわきがの特徴を持っている人は全体の約10%程となっており、欧米人の80%に比べると非常に少ない数字となっております。
そもそも汗って?
そもそも汗とはなんでしょうか?夏の暑い日に、ちょっと外出するだけで汗がだらだら出てきたり、冬にちょっと温かい場所にいって気づいたら脇汗が…なんてことは皆さん経験があることでしょう。
結論から申し上げますと、
汗とは「汗腺から分泌される液体」のことです。
それだけ?と思われた方もいらっしゃると思います。理解してみるとかなりあっけないのですが、たった一文で説明できてしまうこの液体に多くの方が深くなやまされているのが現状なのです。
汗腺には2種類ある
皆さんはヒトが汗をかく理由をご存知でしょうか?人間の体はどうでもよい理由では汗をかいたりはしません。しかるべき理由があり人間は汗をかいているのです。
実は、汗腺は2種類存在しそれぞれが異なった理由で汗を出しております。
体温調整のために働く「エクリン腺」
エクリン汗腺は、ほぼ全身にまんべんなく分布しており、数としては人によって異なりますが、大体200万から500万くらいあると言われております。
場所は表皮から約1~3mmの所に分布しており、その大きさはかなり小さく肉眼ではほとんど見えないくらいです。
このエクリン腺、実はすべてが活動しているわけではありません。実際に活動しているのは、半分程度。この活動しているエクリン腺(能動汗腺)の数によって汗の量は決まり対応調節を行っております。
わきがの原因となる汗を出す「アポクリン汗腺」
アクポリン汗腺は耳の穴の入り口に入ってすぐの場所「外耳道」呼ばれる部分や外陰部などの限られた部分にのみ存在しております。
このアポクリン汗腺から出る汗によって発生した匂いが、多くの人を悩ませるわきがの原因であり、わきが治療とはこのアポクリン汗腺を取り除く治療の総称です。
このアクポリン汗腺は体温調節として汗を出すわけではなく、もともと異性をひきつけるフェロモンの役割をしていたことからこのような特徴があったのです。
ところが人間が進化していく過程で、このようなにおいに対する嗅覚はだんだんと退化し、視覚に訴えるものが性的な信号へとなっていきました。要するに全身のプロポーション、顔立ちなどといったものです。
その結果、アポクリン腺はだんだん退化し、現在では脇の下や外耳道などにわずかに残るのみとなったのです。
それゆえ、においに関する感覚が違ってしまった現代では、その臭いはフェロモンではなく、悪臭となってしまったのです。 中にはこの退化の過程でアクポリン汗腺が多く残ってしまっている人もいます。そしてそういった方々が、このアポクリン汗腺から出るニオイによるわきがの症状に悩まされているというのが現状です。